昨晩は、久しぶりに会った友人たちとお酒の席を楽しんだお父さん。ついつい若い頃のようにビール、日本酒、焼酎、ワイン…と調子に乗って飲みすぎてしまい、二日酔いの症状を抱えているようです。
二日酔いに関わる肝臓の主な働き
頭痛やだるさ、吐き気などといった二日酔いの症状は、アルコールの毒素が体内に残ったり、血糖が下がることで起こります。これらの原因には、肝臓の「解毒機能」と「エネルギーの貯蔵・産生する機能」が深く関わっています。
解毒機能
解毒機能とは、アルコールなど、身体にとって有毒な毒素を分解して無毒化する機能のこと。これが上手く働かないと、体内にアルコールの毒素が残ってしまい、二日酔いや悪酔いを招きます。
エネルギーの貯蔵・産生する機能
肝臓は、エネルギー源であるブドウ糖を貯蔵したり、必要な時に産生することで、全身のエネルギーを調節しています。多量のアルコールを摂取した時、肝臓は、アルコールの分解に追われて、ブドウ糖を上手く産生できなくなります。すると、身体は低血糖状態になり、その結果、だるさなどの不調が現れるのです。
他にも、肝臓には500以上もの働きがあり、「人体の化学工場」と呼ばれています。
飲み過ぎによるリスク
アルコールを摂取すると起こる、顔が赤くなる、動悸、吐き気、頭痛などの酔いの症状は、肝臓でアルコールを処理する過程で生成される、アセトアルデヒドという中間代謝物質によるものです。
発ガン性
飲酒によって膵臓ガンや食道ガン、大腸ガンなどの発症リスクが高まることはよく知られていますが、これはアセトアルデヒドに発ガン性があるためだと考えられています。
脂肪肝
処理しきれなかったアセトアルデヒドは、脂肪の分解を抑制すると同時に、脂肪酸(中性脂肪の素)の合成を高めてしまいます。その結果、脂肪が蓄えられて脂肪肝の原因になり、重症化して肝硬変になることもあります。
水分をしっかり摂って二日酔いを予防!
二日酔いの症状は、脱水によっても現れます。アルコールには利尿作用があり、これが水分を必要以上に体外へ排出してしまうのです。脱水を防ぐには、飲酒時にお酒と同量以上の水を摂るのがコツ。また、スポーツドリンクを飲むのもオススメです。水と糖質を同時に補給できるため、二日酔いの予防ができます。
二日酔いに効果的とされる食材
グレープフルーツ
グレープフルーツに含まれるフルクトースという果糖には、アルコールの分解を手助けする効果があるとされています。水分補給を兼ねて、グレープフルーツジュースにして飲むのがオススメです。
スポーツドリンク
アルコールを分解するのには、糖分が不可欠。スポーツドリンクは、糖分と水分を同時に補給することができるため、アルコール分解だけでなく、脱水症状を緩和させることも期待できます。
コーヒー
コーヒーに含まれるカフェインには、肝機能を改善し、良好に保つ効果があるといわれています。適量であれば、缶コーヒーでも効果が期待できます。飲み過ぎには注意しましょう。
梅干し
梅干しのピクリン酸には、肝臓を活性化する働きがあるとされ、二日酔いだけでなく、乗り物酔いなどにも効果があるといわれています。
生たまご
卵黄に含まれるシステインという成分には、二日酔いの原因のひとつでもあるアセトアルデヒドの分解を手助けするといわれています。また、卵白に含まれるタンパク質にも、肝機能を高める効果があるとされています。
大根
消化酵素が豊富な大根は、二日酔いに伴う吐き気、胃のもたれなどにも効果があるとされています。すりおろして、大根おろしにすれば薬味や、様々な料理の付け合せとして活用できます。
漢方素材、高麗人参の働き
東洋では、古くから高麗人参が二日酔いの予防と解消はもちろん、アルコール酩酊を軽減するものとして知られています。高麗人参に豊富な有用成分ジンセノサイドには、アルコール分解酵素の「アルコール脱水素酵素」と、アセトアルデヒドの代謝を促進する「アセトアルデヒド脱水素酵素」を活性化する効果があります。その働きにより、悪酔いを防ぐことができるのです。
臨床試験結果
高麗人参の効果
肝臓細胞中にある酵素ALTとASLは、ともに肝臓の細胞が破壊されると血液中に流れ出し、数値が上昇します。反対に、この数値が低下するということは肝臓細胞が修復されていると考えることができます。実際に行われた試験でも、高麗人参組成物の1日9粒摂取によって、ALT、ASLの数値の低下傾向がみられました。元々、高麗人参は肝蛋白合成促進作用やアルコール分解酵素の活性化作用などにより、肝機能を向上させると考えられてきましたが、この結果によって高麗人参組成物でもその機能が確認されました。