Vol.0 今、あなたは「健康」ですか?

「あなたにとって健康とは?」と尋ねられると、「病気でない状態」と答える方が多いのではないでしょうか。

「健康」という言葉を辞書で調べると「異状があるかないかという面から見た、身体の状態」といった意味が記されてあります。このように、異状を判断するための基準を設け、基準を超えると身体に異常がある(=病気)と判断する考え方は西洋医学に基づくもの。

漢方の世界では、また違った考え方をします。

漢方の世界においての「健康」とは?

漢方の世界では、私たちの心や身体は日々、環境や気候、疲労、ストレスなど様々な刺激を受けていると考えられています。この刺激を跳ね返して心身を元の状態に戻す力(自然治癒力)が正常に働き、バランスが取れている状態を「健康」といいます。

自然治癒力の働きが弱まると、心身のバランスが崩れて心や身体に様々な不調が現れます。漢方は、自然治癒力の働きをサポートすることで健康へと導くのです。

西洋医学の強み、漢方の強み

西洋医学と漢方は、それぞれ異なる強みがあります。

まず、西洋医学では、血液検査やレントゲン検査などによって病気の原因を見つけます。その結果、身体に異常が見つかれば、直接的に改善作用をもたらす薬を投与したり手術によって悪い部分を除去したりして治療し、身体を健康な状態に戻します。

西洋医学の強みは「体内に侵入した細菌やウイルスを殺す」「熱を下げる」「血圧や血糖値などの数値を下げる」といった、明確に現れた身体の異常を早く治せることにあります。

一方、漢方では、患者の外見を観察する、身体に触れる、症状や生活習慣などを聞き取るといった方法で患者の情報を集め、病気の原因を探ります。その結果をもとに、患者一人ひとりに合った方法で自然治癒力の働きを支える治療を行い、患者が自力で健康な状態を取り戻せるようお手伝いをします。

漢方の強みは、一人ひとりに合わせて処方を変えられること。そのため、西洋医学では病気と診断されない頭痛や倦怠感などの未病から治療を施すことができる特長があります。

近年、医療現場では、西洋医学と漢方を中心とした東洋医学の両方の強みを生かした「統合医療」が注目されています。超高齢社会を迎えた今「病気にならないように、普段から自然治癒力を高めて健康を保つ」といった、漢方の考え方が重要視されるのではないでしょうか。

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