- 2018-10-16
- はじめての漢方
漢方の世界では、身体に悪い影響を与えて病気を引き起こす要因を「邪気」といいます。邪気には、身体の外側から影響を及ぼす「外邪(がいじゃ)」と、体内で発生して身体の機能に影響を与える「内邪(ないじゃ)」があります。
気温や湿度の変化も「外邪」となる!
体外からの悪影響は、すべて外邪にあたります。例えば、細菌やウイルスなどの有害物質、精神的なストレスの他、極度な気候の変化も外邪になります。気候による邪気をそれぞれ「風邪」「湿邪」「暑邪」「燥邪」「寒邪」「熱邪」といい、まとめて「六淫(りくいん)」といいます。六淫のうち「熱邪」以外は季節ごとに分けられ、様々な症状を招きます。
[春] 風邪(ふうじゃ)
春一番のように突然発症して、突然治まることが多い。頭痛や鼻水、かゆみなど上半身や体表部に症状が現れやすい。
[梅雨~初夏] 湿邪(しつじゃ)
ジメジメした梅雨のように湿気が過剰になり、体内の水分が排泄しにくくなる。特に水が溜まりやすい下半身のだる重さや冷たさ、腫れなどの症状が現れる。
[夏] 暑邪(しょじゃ)
蒸し暑い日本の夏のように、熱邪と湿邪の2つの性質を持つ。顔が赤くなったり発汗しすぎるなどの熱中症が生じやすい。
[秋] 燥邪(そうじゃ)
パサパサ乾いた枯れ葉のように、乾燥した状態になる。症状でいうと、咳が続いたり肌が乾燥したりすることが多い。
[冬] 寒邪(かんじゃ)
降りしきる雪のように、身体の熱を奪って気・血・水の巡りを悪くする。手足の冷えや下痢などを招きやすい。
感情の変化も「内邪」になり得る!
内邪は、栄養の偏りや過剰な労働・休息などに加え、急激な感情の変化やその感情が続くことなどによって起こります。様々な感情の中でも、身体に悪影響を及ぼすほどの感情を「七情(しちじょう)」といい、「喜(喜ぶ)」「怒(怒る)」「憂(憂う)」「悲(悲しむ)」「思(思い悩む)」「恐(恐れる)」「驚(驚く)」という7つの感情を指します。七情は、身体を構成する「気・血・水」のうち「気」に影響を与える特徴があり、「気」が乱れることで様々な不調を招きます。
高麗人参で「外邪」「内邪」に負けない身体へ!
生薬の代表的な存在である高麗人参は「外邪」「内邪」の両方に対してパワーを発揮すると考えられています。というのも、高麗人参には気候や環境、感情などの様々な変化に対する適応力を高めて、正常な状態に戻す働きがあるのです。そのため欠かさず続けることで変化に強くなり、心身ともに健康を維持できます。